2013年7月4日木曜日

Hoe Va'a Voyaging Yumigahama レポート 舟出前

 6月21日、22日に行った、葉山の大浜から南伊豆の弓ヶ浜までの片道110キロ、往復220キロの漕ぎだけでの旅、Hoe Va'a Voyaging の手記をまとめてみました。




今回のVoyaging(航海)の主なミッション、

先日他界した、自ら海洋民族のスピリットを持ち、航海術や海洋民族にまつわる沢山の著書を書いた茂在 寅男先生の魂を僕らのカヌーに乗せ海を渡る。


近代だけでなく、古代にさかのぼり、この日本近海の太平洋で海難事故などでなくなった人達の魂を乗せ、癒しながら漕ぐ。


ひと漕ぎ、ひと漕ぎ、手で海を撫でるように、海と、海に生きる命を癒しながら漕ぐ。


この航海の陸地からのサポート編は、詳しく素晴らしい写真つきでOceanのページで詳しく取り上げているので、是非観て下さい。 
こちら
 
僕はすべての行程、220キロをステアーズマンとして漕いだので、その時感じたことや、クルーのこと、海の状況などを記録に残すことにしました。

長くなると思うので、少しずつ思い出しながら何回かに分けてこれからブログで連載していきたいと思います。






 《舟出数日前から金曜日》


往復で南伊豆の弓ヶ浜まで約220キロ、金、土、日、のうち土曜日を中(なか)日として、弓ヶ浜で休息する計画でいたが、フィリピン辺りにあった熱帯低気圧が急に発達し台風4号になったことで、予報に翻弄され、ギリギリまで決断ができないでいた。

夕方から大雨にもなったので、皆のテンションも下がり、ズルズルと金曜の早朝の舟出はキャンセルになった。 

今回のVoyagingを全面的にサポートしてくれた、僕たちのオハナでもあり、Ocean 弓ヶ浜支部長でもある潮見爺こと、Mau COGも、『今週末は無理ですね、全滅です・・・』というコメントだった。伊豆の海域を知り尽くした男にそう言われると、『そうですか・・』と素直に断念するしかない気分だった。 
確かに台風がやってきている状況で、伴走艇無しで舟出をするのは無謀すぎるし、誰から見てもVoyagingをキャンセルして当然の予報であり情報だった。

キャンセルは常識的にみても、無難な判断とも思った。

そして僕自身も、今回導かれない理由は何だったんだろう?と台風が接近するにしたがい考え始めていた。

Ocean Legend 1st Stageの時から、その日、The Day を待つのには慣れていたし、自然と共存するという意味は、“待つ”ということ・・・。すべてはタイミングであり、導きだ・・・という考えを持っていたから、導きが来るまで待てばいい、今回はまだ何かが足りないんだと、まだその時じゃないんだ・・・と自分に言い聞かせ始めていた。

そして、思考を働かせ、パソコンで情報収集し、予報に翻弄されて、弱気になった僕は、日曜日は台風一過になりそうな気圧配置だったので、うねりが残っても日曜日だけでも南伊豆までは無理でもどこかまでVoyaging できればいいな~と地図を見ながら、オハナ皆が楽しめるような、別の場所への航海を考えたりしながら金曜の夜を過ごした。 

夜がふけるにしたがい、この社会の中で活動する、Oceanというカヌークラブの代表としての常識的で弱気な僕の思考とは裏腹に、僕の胎のそこでは、Ocean のイベントとして航海するのではなく、もっとスピリチャルな部分、自分が弓ヶ浜で受け取ったメッセージに焦点をおいて航海するべきだと想いまじめていた。

母なる海のために、古代の海洋民族と同じ方法で、同じ想念で航海するのが大切なんだと僕は想い始めていた。

一番大切なのは、Va'a (カヌー)に魂を乗せ、カヌーPeopleの聖地、弓ヶ浜に漕いで上陸すること、
皆でVa'a を漕いで、南伊豆に眠っている古代の海洋民族のスピリットを目覚めさせること・・・・

『 Ke Alakai O Ko'u Mau Kupuna 』   
略して僕らはKupuna と呼んでいるが、今回のHoe Va'a Voyaging で使用するVa'a カヌー。 
『祖先たちがたどった道をたどる・・・・そうすれば僕たちが進むべき道が見えてくる』 という意味がこのVa'aの名前には込められている。

そして、明日から2日間の海の状況を考慮して、もしも弓ヶ浜まで漕ぐ場合は、女子も男子も初心者も、オハナの誰もが参加し、弓ヶ浜までの途中4箇所で交代しながら漕ぐ、イベント的な要素は全くやめ、Men's のMolokai練(今年のMolokai Hoeに参加するための練習)に4月から参加しているオハナ達を南伊豆まで導こうと決めた。

色んな情報を集め、予報を見たが、どれもこれも、所詮は人間がパソコンで計算して出したただの情報だった。
僕は何一つ本物は無いと悟り、まずは翌朝土曜日の空と海をみて決めよう、風の声に耳を傾けよう、自分の直感を信じようと心に決め、深夜になり眠りについた。




《葉山、大浜舟出の日》

土曜の朝4時過ぎ、辺りが明るくなるの待って海をチェックに行った。

海がよく見渡せる葉山公園に行って驚いた!声を出しそうになった。

一晩中降り続いた雨が上がり、今まで見たことないような、素晴らしい朝の景色が目に飛び込んで来た。
清々しい空と海がそこにはあった。

背後から昇る朝陽に照らされた西の伊豆半島と富士山がくっきり見え、ピンク色の筋雲が青い空をバックに輝いていた。
海と空が僕らのVoyagingを祝福している、とすぐにわかった。
導かれている・・・と僕は確信し、すぐにオハナ達にメーリスを発信した。

5時半舟出!!!』

もう予報をチェックする必要も、温帯低気圧になった台風4号の進路を気にする必要もなかった。 
僕らのVoyaging が偉大な力に祝福され導かれているのを強く感じていた。

すべてがうまくいく、航海中、辛いことが起こっても、それはすべてが学びで、俺たちは必ず力を合わせて克服できると確信していた。

さすがに台風のうねりは葉山の大浜にも届いていた。
  
でも舟出に影響を与えるほどでもなく、弓ヶ浜まで僕らとKe Alakai O Kou Mau Kupuna (略してKupuna)の航路が照らされて導かれているのを強く感じながら僕らは5時半過ぎに大浜を舟出した。 

いつもと変わりなく、見送りに来たオハナ達と手を取り合い、森羅万象、風、雲、太陽、星、月、空、大地、海、・・・に、愛と感謝の祈りを捧げ舟出した。
e ala e ・・・オハナたちにとって新たな人生の始まり・・・生まれたての地球のように美しすぎる海と空の境界にむけて、吸い込まれるように僕ら6人とKupunaは一つになり、海とつながり、スーと滑り出した。

To be continue....

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