2013年6月24日月曜日

海のリズムを感じて生きる

2日間漕いでいる間・・・

寝ている間も・・・・

ずっとリズムを感じていた。

Hula で使う太鼓のようなリズム・・・

大きなウネリの中でも、強風の中でも、強い日差しの下でも、もちろん弓ヶ浜で大広間でなぜか一人で(笑)寝ている時でも・・・220キロ、22時間海の上にいる間中ずっと感じていた。

そのリズムはずっと胎の中で、ドン ・ ドン、ドン、、、 ドン ・ ドン、ドン、、、、 と刻まれていた。

凄く心地いい、リズム、踊れるリズム・・・

大自然の中を、大海原を漕ぎ、心地よく冷えた澄んだ海と太陽、島のような生き生きとした緑の世界から、200キロ以上漕いで僕たちが住む陸地に近づくにつれ、行き先の空にモクモクと盛り上がる雨雲のような灰色のガスのような雲が立ちこめていた。

晴れてるのに視界が5キロもない状態で、陸地を包むガスのベールの中から湘南のゴチャゴチャした建物や、沢山の船やヨットの帆が見えた瞬間、懐かしさよりも、嫌悪感かな・・・・ を感じた。 

”ほんものの地球” の世界から、”陸地”、というよりも人間のエネルギーに覆われた世界に帰ってきた感覚がした。  
海から戻った浦島太郎のような気分だった。

たった2日間の航海だったのに。




Hoe Va'a Voyaging、220キロを2日間、6人乗りのVa'a(アウトリガーカヌー)で漕いだ航海、

天地自然、Kupuna(先人)と一つになるために海を漕いで渡る旅・・・

2年前の海からの巡礼の旅 の時もそうだった、舟出するまえに携帯を水没させてしまった。

今回も安全のために持って行った携帯が、防水携帯にも関わらずすぐに使えなくなってしまった。

僕はすぐに悟った、携帯を持つべきじゃない、この2日間は携帯を使うべきじゃないんだろうと・・・

人や情報や社会とつながらないで、天地自然とつながりなさい。
海と自然と、Kupuna(先人)達とつながりなさいというメッセージだと悟った。

僕はずっと携帯のワイファイの代わりに、その海のリズムを感じていたのだろうか?

悲しいことに、今はもうそのリズムを感じない。

ドン ・ ドン、ドン、、、 ドン ・ ドン、ドン、、、、 という凄く心地いいリズム・・・

地球の鼓動?? 海の、波のリズム??

きっとそうだったんだろう。 海と一緒に踊ってるような心地いい気分だった。


昨日、一昨日の2日間の航海は、僕のオハナたちにとっても、人生の大きな旅になったと思う。

今日からもう、いつもと同じように仕事に出ているオハナたち、人間がほんの数百年で作り上げた人工的な世界、人間の都合で破壊された自然の無い世界、すべてが人間の思考と価値観の中でうごめいている世界、車や電車や人工的な音に覆われた、そんな世界に彼らは戻っていった。 
時間に追われ、スケジュール通りに生きなきゃいけない世界。

でも忘れないで欲しい、その人間が創造した世界こそが架空の世界だ、てことを。

2日間過ごした、海のエネルギーに覆われた世界、Hoe Va'a Voyaging

海と大地の音しかしない数万年も数億年も続いた本当の地球の姿。

それが僕たちの愛する母なる地球のほんとの姿だってことを・・・・


懐かしくなったら、疲れたら、スマホの電源をオフにして、ビルや電信柱の隙間から見える空を見上げて欲しい。 月や星を見上げてほしい。

そして、あの青い空と蒼い海を思い出して欲しい。 山の緑を思い出して欲しい、

そうすればまた地球とつながることができるから・・・。

あの海のリズムを感じることができるはずだから。

そして、海とカヌーと一緒に踊ることができるはずだから・・・。

2013年6月20日木曜日

導かれるまで待つ・・・

大海原を人力だけで漕いで渡る時に大切なこと、それは導き(自然の流れ)に調和するということ、
そして、その導きを待つということ・・・。

僕がちょうど6年前に始めたOcean Legend を通して学び、大切にしてきたことだ。

それはそのまま、すばらしい古代の人の生き方だと思う。 カヌーピープルの生き方でもある。

昔の人にとって、自然はあまりにも偉大で、絶対だった。
自然にゆだねなければ生きていくことは困難だった。 
だから、導きや自然のサインを待つのは当然だったのだろう。

今は海を渡るにも、エンジンをつけて巨大な船であれば、どんな嵐の中でもつき進んでいける。
時間通りに、出発し到着することができる。 

経済発展やビジネスのためには、待つことや待たせることはタブーなんだろう。

待たせないようにするために、人は必死になり、ストレスを抱える。
待たないで物事が進む事を目指して、乗り継ぎ、計画通りに時間をコントロールしようとする。
そして、うまく時間や予定をコントロールできない時にまたストレスを抱えてしまうのだろう。

導きにゆだね、舟出すれば事故起こらないし、トラブルも起こらない。すべてが潮の流れのようにスムーズに僕らを目指すところへ導いてくれる。 

自然にゆだね、人間がつくった計画や予定にあわせない。 
コンピューターが計算した予報や情報に翻弄されない。

導きは、人間の時間(年月や時間)の感覚とはまったく違う次元のタイミングで訪れる、数秒後だったり、6年後だったり、10年後だったり、自分の死後だったりする。




4年前に僕が自然に導かれ、たどり着いた南伊豆の弓ヶ浜に、今、確実に古代の海洋民族の魂(Ocean Legend)が蘇りつつある。

弓ヶ浜の、Ocean LegendのKupuna(先祖や人間よりも古くから存在するもの) がそういうスピリットを持った人たちを導き、引き寄せているのを感じる。

僕と同じ海洋民族のスピリットを持つ人たちが・・・。

彼ら自身はまだ気付いていないのだろう、自分の魂の奥底にOcean Legend が宿ってるということを・・・。

資本主義社会にコントロールされながらも、なぜか学生時代からこの南伊豆、弓ヶ浜に魅せられ、住みついた人、日本中、バイクで放浪した末に、いつも必ず弓ヶ浜に引き寄せられ、今は住みついた人、南伊豆に打ち寄せる波に魅せられて住みつく人、海を渡るVa'a(カヌー)に目覚めた人、
Va'aづくりに情熱も燃やす人・・・。 彼らのスピリットが導かれ弓ヶ浜に集まってきている。

導きは、自分が 『これが導きだ・・・』と確信した時に、もっとパワーを持ち動きだす。

導きを感じ、気付くには、いつも自分を海や山や大自然のなかに置き、その一部だという意識でいる必要があるのだろう。


今週末、Hoe Va'a Voyaging で 葉山から弓ヶ浜まで220キロ往復する計画 だった。
でも台風が発生し、ほぼ無理な予報 だ。

待つことには慣れている。

今回も導かれるまで待つことにしよう。

2013年6月12日水曜日

6月9日という日に

日曜の夜にも関わらず、Patagoniaでのトークショーに来ていただいた皆さんありがとうございました。

そして6年前からサポートし続けていただいてるPatagoniaさんにも感謝の気持ちでいっぱいです。 

今回、偶然のタイミング(すべては必然だけど・・・)で、6月9日と言う特別な日に新たな舟出となるトークショーができたことに、僕自身すごい導きとシンクロニシティーを感じています。

6年前、2007年の6月9日は、Hokule'aが横浜に到着した日、一般的にHokule'a ファンの人たちの中ではHokule'a 記念日とか言っている(俺はそんな風には今年まで思ったことはなかったが・・・)。

Hokule'aとの出会いは、僕がこのOcean Legendという活動を始めるきっかけになった。
僕の人生やライフスタイル、価値観を180度変えた大きな出会いだった。

そして、現在、そのHokule'a もこの日ハワイ時間の6月9日に、地球を癒すWorld Tourに向けての儀式がハワイ島のヒロで行われた。

そんな、僕にとって、Hokule'a にとっても特別な日に、このビデオも完成し、地元のPatagonia鎌倉店で舟出の話しをする機会を与えられた。

わずか1日で、あふれ出るような力に導かれ、曲も言葉も、映像のリズムもタイミングも・・・もう既に決まってたような形でこの8分のメッセージビデオが1日で完成したのだった。この6月9日にあわせて・・・。  そして、新しいOcean LegendのHPも、この日に、この時期に合わせるように完成した。

Paddle for mother Earth のVideoは、昨年の10月にハワイから戻り、ハワイのオハナ達からの強い要望もあり、作らなきゃな~という気持ちがありながらもなかなか進まないでいた。

僕をとりまく環境がまだその時期じゃなかっただけでなく、僕Duke自身がまだそのステージに達してなかったのだろう。

自然を破壊し、海を汚染してきた、この社会と政治に異を唱えながらも、社会と多くの人達に受け入れられようともがいていた。

Ocean Legend のHPも巡礼の旅の後、1年半以上も放置し、このブログも2年近く放置したままだった。 いつも心の中にあり、気にはなっていたものの、湧き出すような、流れるような、導きを感じなかったので何も手をつけることもできなかった。そんな感覚が長く続いた。

でも、確実にこの6月9日に向けて、時は流れ、出会いは訪れ、出来事は日々起こっていた。



海を漕いで渡る from ocean on Vimeo.


この3年間に色んなものを手放してきた。

手放すことで、今まで見えなかったものが見えてきた。

今までになく意識の高い仲間達が僕の周りに集まってきている。

去るものを追わず、来るものを拒まず・・・すべてを流れに、導きにゆだねて生きる。

過ぎたことを振りかえらず、未来を予測も計画もしない、ただ今に生きる。

常識や社会に左右されず、ただ、海の声、自然のメッセージに五感を研ぎ澄ませて対話し、想念のままにシンプルに生きる。

そんなカヌーPeopleの生き方に学ぶことで、本当に海に受けいられるような気がする。

まだ完璧じゃないし、神聖じゃないけども。。。そんな人間にならないと
大海原は渡れない、太平洋は渡れない、航海はできないだろう。


レースや挑戦やイベントじゃないんだから。 

いつになるか解らない、ただ導きにゆだね今に全力で向き合う。
大海原を漕ぐ時と同じ・・・

Paddle fo Mother Earth
海を想い、癒し、漕いで渡る旅。


実現に向けて6月9日に舟出できました。

今まで出会ったみんなのおかげです。ありがとう!
そして僕の祖先と、海洋民族のスピリット(Ocean Legend)のおかげです。